最新の不足額は「1230万円」に減っている
この傾向は2024年の家計調査をみてもあまり変わりませんが、実収入が5万円ほど増えているため、老後資金で不足する額は月3万4058円×12カ月×30年=1226万円となり、老後資金不足は約1230万円という内容になります。
最新データでも、住居費は消費支出全体25万6521円の6.4%、1万6417円になっています。
それでは、実際に持ち家に住んでいる人、賃貸に住んでいる人の割合はどうなっているのでしょうか。
2023年の金融広報中央委員会の世論調査を見ると、年齢が上がるにしたがって、持ち家比率が上がっています(図表3)。
30代では持ち家比率は50%以下ですが、老後世代の60~70歳代になると80%前後となり、この世代での住居費の負担はかなり少ないことが理解できます。
「一生賃貸派」の夫婦はいくらかかるのか
しかし、現在の年金受給者世代とは異なり、就職氷河期世代(1993~2004年の間に社会に出た人)の持ち家比率は少ないと言われています。生涯、賃貸に住む人は今後増えていく可能性があります。
※日本経済新聞「持ち家なき氷河期世代 賃貸負担重く、老後に困窮リスク」(2025年2月16日)
ここからは、老後に賃貸に住む場合はいくら必要かシュミュレーションしてみましょう。
必要な老後資金の計算方法の1つとしては、
老後の年間不足額(老後の年間支出-老後の年間収入)×老後年数
となります。
この計算方法を基に2024年の家計調査報告(高齢夫婦、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の収入と支出のデータ)から考えてみましょう。支出は、消費支出全体の25万6521円から住居費1万6417円を引いて約24万円とします。