――関西の状況はどうですか?

【山田】浜学園は今のところ盤石。希学園は一時の勢いはないが、「希ブランド」はまだ生きている。現在は2教室にすぎないSAPIXが本格的に関西にきたときにどうなるかだ。あとは、日能研、稲田塾を吸収した馬渕教室がそれに続く。高校受験まで含めると第一ゼミナール。開成教育セミナーも生徒を増やしている。京都では成基学園、京進あたり。関西では、中学受験熱がだいぶ下がっているのが気がかりだ。

高校受験の絶対的王者は?

――高校受験塾はどうでしょうか?
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2013年度入試結果、私塾界調べ(アンケートもしくはホームページで確認。空白でも0とは限らない)

【山田】高校受験は、中学受験や大学受験のように大手塾が強いのではなく、エリアごとに強い塾がある。たとえば、神奈川では、高校受験STEP、湘南ゼミナール、臨海セミナー、中萬学院という四つの塾が争っているが、県立トップ校の湘南高校ではSTEPが強く、昨年度は203人、今春は180人を合格させた。

――なぜ、そんなに強いのでしょう?

【山田】公立高校対策では、いわゆる定期テスト対策も欠かせない。ある塾では、地域の公立中学校でどの先生がどんな問題を出すということも把握している。もちろん、人事異動があればその情報が別校舎に共有される。そこまでやる。

――ほかに動きはないでしょうか?

【山田】エリアごとの有力塾に続く存在として、フランチャイズ(FC)がかなり勢力を伸ばしている。トップ校こそ地域の有力塾が占めているが、2番手以下になるとFCが存在感を増す。有名どころでは、明光義塾やスクールIEなどだ。

――なぜ、成長しているのですか?

【山田】FCが飛躍的に伸びているのは、トップ校狙いではない、学力中下位のお子さんをしっかりとつかんでいるから。指導者、教材をふくめて、教育内容も悪くない。授業料は安くはないが、週1回に抑えるなど、自由度はあるので使い勝手はいい。