中学受験、首都圏4強に続くのは?
――中学受験、高校受験に絞って、業界の動きをうかがいます。まず、中学受験は難関校の合格実績で群を抜くSAPIXのひとり勝ちに見えます。
【山田】難関中学への合格実績では、東のSAPIX、西の浜学園が揺るぎないポジションを築いている。中学受験は合格実績の出ているところにお客さんが集まる。合格実績が安心材料になる。
――他の大手塾はどうでしょうか?
【山田】四谷大塚は、教材の完成度(予習シリーズ)が非常に高い。地方では四谷大塚の教材を使っている塾が多い。また、テスト会が充実していて、中学受験の合不合判定テストだけでなく、全国統一小学生テストを半年に1回、全国規模で開催しており、全国的に見れば四谷大塚のブランド力は強くなっている。早稲田アカデミーは右肩上がりの経営を続けている。中学受験はもちろんだが、高校受験はもっと強い。早慶や難関私立高校に受からせてくれるというイメージが定着した。
――残るは日能研ですね。
【山田】最上位の子たちがSAPIXを選んでいる。そういう背景もあり、方向転換をしている。いわゆる御三家以外も目指す層を取り込んでいる。
ほかでは、個別指導のTOMASが中学受験で存在感を出し始めている。以前はダブルスクールが多かったが、このところはTOMASに絞って通う生徒が増えている。
――個別指導一本となると、塾代は相当高額になるのではないですか?
【山田】小学6年生で年間150万円というところか。ほかの大手中学受験塾でも120万円くらいはかかることもある。なんとしても希望の学校に入れたい家庭にとっては、大差はない。
――公立中高一貫校はいかがでしょう?
【山田】東京都だけでも、年間1万人が受検する。西東京地区が発祥のenaは公立中高一貫校対策に思い切ってかじを切って成功。都立中高一貫校合格者の3割以上を占める。学校によっては5割を超える。月謝はどのコースも2万円以下に抑え、通いやすくなっている。