投資規模も雇用も期待外れ…現地軽視で深まった亀裂

パナマはなぜ、中国の一帯一路構想からの離脱を表明したか。背景に、中国の急速な影響力拡大への懸念がある。

2017年にパナマが台湾と断交して以降、中国はパナマでの大規模インフラ開発計画を矢継ぎ早に打ち出してきた。ニューヨーク・タイムズ紙は、約400キロメートルに及ぶ高速鉄道の敷設、首都パナマシティでの新地下鉄路線の建設、最新鋭のコンテナ港整備など、野心的なプロジェクトを挙げる。とりわけ14億ドル(約2100億円)規模のパナマ運河第4橋建設計画は、中国の影響力拡大を象徴する事業として注目を集めた。

新しいパナマ運河アグア・クララ閘門(大西洋側)。運河閘門の上にある3連の節水桝。
新しいパナマ運河アグア・クララ閘門(大西洋側)。運河閘門の上にある3連の節水桝。(写真=US DOT/PD US Government/Wikimedia Commons

文化面での攻勢も目立った。中国は自国の言語や文化を広める拠点として孔子学院を開設。新型コロナウイルスのパンデミック時には医療物資を提供するなど、ソフトパワーの強化にも力を入れた。