英会話スクールのメリットは一つだけ

ここで質問です。

そもそも、皆さんはなぜ英語を勉強していますか。

目的はさまざまかと思いますが、学習者のほぼ全員が「ネイティブと会話をするとき、自信を持って流暢に話せたら」と思っているのではないでしょうか。

オフィスで働く通訳者
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

友達や取引先など、講師以外のネイティブを前にした会話を「本番」だとすると、英会話スクールやオンライン英会話で講師と話す会話は「練習試合」と考えてください。

「練習試合」は、実際に異なる人種の方が目の前にいる状況で英語のキャッチボールをする状況に慣れる良い機会になります。そのなかで「自分は、ここは話せるけど、こっちはもう少し話せるようにフレーズを覚えなきゃいけないな」といった課題も見えて、モチベーションになるはずです。

なので、先に「極論を言えば10対0」と言いましたが、0のうちのほんの少しだけ、2、3カ月に1回くらい、ネイティブと話す機会を設けたら刺激にはなるでしょう。逆にいうと、リアルな講師とする英会話のメリットってそこだけだと私は思っています。

リアルな会話だとジェスチャーとか間合いとか、非言語的な要素も学べますが、遠くない未来、生成AIがそういった機能を持つようになるはずです。

「とりあえずやれば伸びる」は幻想

あと、もう1つ大事なことを。「オンライン会話を毎日30分やっているから、それで伸びるだろう」はあり得ないのでやめたほうがいいです。その30分の時間があるなら、洋書を読んだり海外ドラマを見たりしたほうがアウトプット力もつきます(多聴・多読の効果、やり方は本書の第3章でたっぷりお伝えしています!)。

今ってオンラインが安価で身近なので、「とりあえずやれば伸びる」みたいな風潮ができてしまっていて、それは良くないと思っています。

話を戻しましょう。

「パソコン上でChatGPTにプロンプトを入力して英語の意味や文法を聞いていますが、音声は試したことがないです」

ChatGPTを学習に取り入れている人でも、こういう方がまだまだ多い印象です(プロンプトとは、ChatGPTに与える「指示」を意味します。具体的にChatGPTに与えるためにボックス内に入力する指示内容のことですね)。

これではChatGPTの良さを活かしきれていません。せっかくChatGPTを使うなら、ぜひ音声機能で会話をしてほしいです。