農水省が卸売業者を悪者にするワケ

昨年の夏、スーパーの店頭からコメがなくなったときも、農水省は「コメは十分にある」と主張した。それ以降も、米価が史上最高値にまで高騰した現在でもこの姿勢を貫いている。今回の備蓄米放出も、コメが足りないから出すのではなく、卸売業者などの流通業者が投機目的でどこかに貯めこんで市場にコメが流通しないため、それを吐き出させるために行うのだ(抱え込んでいるコメを放出させる呼び水とする)と主張している。流通を円滑化することが目的だと言う。

昨年夏も、卸売業者の在庫が異常な水準にまで低下していたにもかかわらず、スーパーからコメが消えたのは卸売業者が在庫を抱えて売り渋っているせいだという根拠のない主張を行った。一貫して集荷業者の農協は善玉、卸売業者は悪玉という主張だ。