「この人がこだわるのはどの領域か」を把握する

そこで「トリセツ」を考えてみます。まずオレサマの領分をつかんでおきましょう。「この人がこだわる自分の領分や権利はどこまでなのか」を想像してみましょう。これは、突然にオレサマ化するときの状況を思い出していけばだんだんわかってくるはずです。

和田秀樹『オレサマのトリセツ』(東京新聞出版)
和田秀樹『オレサマのトリセツ』(東京新聞)

「自分の仕事のやり方にはものすごく自信を持っているし、それ以外のやり方は受けつけないし聞き入れない」
「自分の個性にもこだわっている。『ワタシは不器用だけど頑張り屋』と思い込んでいるから新しいやり方なんか試そうとしない」
「過去の実績にも誇りを持っている。だから若い人にすぐ昔の自慢話をしたがる」

あなたにもいろいろ気がついていることがあるはずです。

そこを脅かさないようにしましょう。

アドバイスは無用でも、オレサマがあれこれ指図してきたら「あなたのようにはできないけどやってみる」と取りあえず従っておけばいいのです。「この人は私の領分の侵害はしないし、私の個性も認めている」と思わせておけば、むやみにオレサマ化することはないはずです。

殺し文句は「あなたのようには頑張れません」

もちろん、あなたはあなたで自分のやり方を試していいのです。いろいろ口出ししてくるかもしれませんが、「このやり方だとうまくいかないかもしれないけど、もうちょっと頑張ってみる」と言っておけばしつこく干渉することはないはずです。

オレサマが大事にしている領分には入りこんでこないと安心させることができるからです。

そうして少しずつ、自分とは違う種類の人間だと思わせてしまえば、オレサマはわざわざ干渉してきません。それでももし、自分のやり方を押しつけてくるようなことがあったら、「あなたのようには頑張れません」と断れば、オレサマは勝ち誇ったような気分になるはずです。

ただし親しくなる必要はありません。言うまでもないことです。

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