ユーチューブの常識を無視する

「エガちゃんねる」は、ここまで来るまでに数多くの「不自然」を繰り返してきました。

チャンネル開設当初、江頭さんやブリーフ団と話し合って決めたのは「ユーチューブの自然=当たり前なこと」にとらわれないようにしよう、ということ。

YoutubeのロゴのiPad画面
写真=iStock.com/ozgurdonmaz
※写真はイメージです

当時ユーチューブの世界では、テレビ的な編集は嫌われ、ありのままを求められるというユーチューブの定説がありましたが、それに逆らって、テレビ的なゴリゴリに笑いを作る編集をしていくことに。

当時は「動画の更新頻度は毎日がいい」という定説がありましたが、クオリティの低い動画を毎日出すよりも、クオリティを上げて週2、3本に絞ってみる。動画公開はユーチューブでのゴールデンタイムとされる19時〜21時ではなく、誰も動画を公開しない日曜深夜2時50分にしました。

そもそもの話をすれば、何十年とテレビを主戦場としてやってきた江頭さんと僕。一生、テレビの世界で仕事をしていくものだと思っていました。そんなところから、ユーチューブを舞台に自腹で挑戦するという大きな「不自然」がありました。

こうした「不自然の連続」が、結果的に今の大きな「不自然」な状況につながったのではないかと、僕たちは思っています。

番組制作における大事な指針

この「一日一善」ならぬ「一日一不自然」、僕は何かを選択する場面に立った時に意識するようにしています。「不自然」な選択をするというのは周りからの目もありますし、勇気がいることかもしれません。ただやってみると意外といいもので(笑)……。

(「はじめに」でも書きましたが)本を書くと決断したことも僕の人生にとってはとても不自然な選択でしたが、結果的に新しい出会いや発見があり、書く前は想像さえもしなかったたくさんの「不自然」で楽しい未来がありました。

少し前に、この「不自然」とは真逆の考え方で「ありのまま」がいいという、とても耳心地のいいフレーズが流行りました。もちろんそれ自体を否定するつもりはありませんが、「ありのまま=自然」に生きていたら結果は「自然」なことになるでしょう。それはそれでとても素晴らしい生き方だと思います。

ただもしも、ジャンルを問わず、仕事でもプライベートでも、何か現状を変えてみたい、新しいことに挑戦したいと考えるのであれば、何かを選択する岐路に立った時、「一日一不自然」を頭の片隅にでも……。