世界で3番目に人工衛星を設計・製造し軌道に乗せた国

そして、第二次世界大戦中のことだ。英国は、ナチ・ドイツからの空爆に晒されていた。そこで、チャーチルは、英国が誇る航空関連の最先端の研究拠点をドイツから攻撃を受けないモントリオールに移転することを決断した。以後、モントリオールには、航空宇宙産業関連の技術と人材が集積し、カナダ宇宙庁も郊外に置かれている。

知る人ぞ知るが、カナダは、ソ連、米国に次いで世界で3番目に、人工衛星を設計・製造し、軌道に乗せた国だ。カナダ国防研究通信研究所の科学者ジョン・チャップマンとエルディン・ウォレンが開発・設計・製造したのが人工衛星アルエット1号である。ただし、カナダは、独自のロケット発射場は有していなかったので、アルエット1号は、1962年9月、NASAによって米カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた。軌道に投入されるとただちに電離層観測を開始した。

特筆すべきは、設計寿命は1年にもかかわらず、10年間にわたりミッションを遂行し、100万枚以上の電離層の画像を地上に送った。また、1972年には、人工衛星アニクA-1が打ち上げられ、カナダは静止軌道に通信衛星ネットワークを世界で初めて構築した国となっている。