気持ちが引き潮のように引いたあの瞬間
「ちょっと貸して、200万ちょっと貸して」
ある日彼から切り出されたバブ子さん。
「え? とは思ったんですが、すぐ返してくれるだろうと。だって、大学の客員教授とかもやってる人なんで……」
「ちょっとしばらく返せないかもしれないから」
そう言って高級時計を差し出した彼。まるで質種。その時点で少しおかしいとは思ったのですが、「ちょっと」という響きにそれ以上突っ込めず、時ははらはらと過ぎていきます。その後全然返してくれない彼に、いつ返してくれるのかな?と軽く聞いたところ、
「え? あれ? 返さなくていいと思ってたあ」
その瞬間、気持ちがサーッと引き潮のように引いたと言うバブ子さん。
「私は、事業のために人から借金してもちゃんと返済計画表を提出し、判を押し、毎月きちんと返します。今までずっとそうやってきて、借金は全て返済してきました」
だから、借りた金を返さない男は、それでもうお終いなのだと、バブ子さんは言い放ったのです。
誰かのために家事をやるのはもうムリ
ところで、お金のことがなければ彼との再婚とかも考えていたのか彼女に聞いてみました。
「いやー。だっておジイちゃんだし。それに私仕事が楽しくて忙しくて、誰かのために家事をやる生活はもう無理」
最初の結婚では、完璧な主婦として夫に仕えたバブ子さん。しかし完璧な専業主婦生活を送った女性ほど、再婚に二の足を踏むものです。
「なんでワタシあんなに一生懸命家事をやったんだろう?」
離婚(あるいは死別)後、自由を手に入れたら、確かにもう二度と家事に縛られる生活には戻りたくないですよね。けれど男性は変わらず、再婚すれば女は家事をやってくれるものと期待していて、そこに大きなズレがあります。
離婚後訪れた“バブルよ再び”の恋愛が、本当に泡のように弾けてしまったバブ子さん。しかし立ち直りもまた速いのです。
「次の楽しいことを見ーつけよ!」
そう思い立ったバブ子さんは、婚活パーティーに参加します。
離婚して2年。46歳になった彼女は、婚活サイトに手あたり次第参加を始めるのです。