体内にたまっている量を知る方法

人ひとりがどのようなものから化学物質を摂取しているか、調べることは簡単ではありません。特に様々なものに使われているPFASについて、飲料水から食事、日用品、それに空気までを個人ごとに調べることはおそらく無理でしょう。

一方で、実際に個人ごとに摂取している量を知るために有効なのが血液検査となります。

PFASが様々なものから身体に摂り込まれると、水に溶けやすく吸収される性質から最終的に血液に入ります。そこで血液中のPFASの濃度を調べることで、血液を採取した時点で、身体の中にたまっているPFASの全体量を知ることができると考えられるのです。

血液からPFASを抽出して分析装置で測定すると、PFASの量を1ml当たりng(ナノグラム=10億分の1g)の単位で検出することができ、それがPFASの「血中濃度」となります。

2000年代初頭には国内で検出されていた

03年と04年に、京都大学の研究チームで秋田県、京都府、大阪府、山口県、高知県、沖縄県といった国内10の地域に住む成人男女の血液を調べたことがあります。

男女各10人ずつ、計200人の血液中のPFOSとPFOAを分析しました。

すると、PFOSはすべての地域で平均的には20ng/mlで検出されました。地域的な差はこのときは大きくはなく、多くの地域でPFOSが同様に広がっていたと考えられます。

その一方で、PFOAに関しては京都、大阪、兵庫エリアが高濃度で、他の地域を上回り、10ng/ml以上という結果となりました。