日本国内を流通するマグロの7割以上は、漁獲後に冷凍処理を施されている。時事通信社水産部の川本大吾部長は「どんな高級マグロでも解凍に失敗するとまずくなる。スーパーのマグロの味にバラつきが大きいのはそのせいだ。コツは5%の塩水を使うことにある」という――。
豊洲市場の冷凍マグロ卸売場
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豊洲市場の冷凍マグロ卸売場

日本に流通するマグロ類の7割以上が冷凍物

握り寿司や刺し身の鉄板ネタと言えばマグロ。大トロや中トロ、赤身、人によって好みは違えど、数ある魚の中でも横綱級の人気と旨さで、この年末年始にごちそうとして味わう人も多いであろう。冬場のマグロは脂が乗って身も締まり、まさに旬。

青森県大間産の本マグロなどは高級すし店でないとなかなか味わえないが、自宅で食べたいときに食べられるマグロといえば、通販などで購入できる冷凍物のマグロだ。

マグロは青森県の大間のように近海で漁獲され、直ちに流通するケースもあれば、マイナス60度の超低温冷凍庫を備えた遠洋漁船で、水揚げ後にカチカチに冷凍され、真っ白なまま静岡県の焼津港や清水港に陸揚げされるマグロもある。

スーパーなどで手に取る際に「マグロ(解凍)」というラベルの文字を目にする機会は多い。日本に流通するマグロ類の7割以上が、漁獲後に冷凍された遠洋漁船によるものである。