「今日は何を学んだの?」と質問するといい

ここまで紹介してきたYouTubeを使った学習法は、「動画を見ること」に「ちょっとした工夫を加える」ことで、「脳に記憶を定着させる」という勉強法でした。

実はこの「ちょっとした工夫」ですが、英作文やAI活用だけではなく、ほかにも効果的な方法があります。それは、「自分の言葉で、動画の内容を説明する」というものです。

筆者はこれまで多くの小学生や中学生、高校生に指導を行ってきましたが、「このYouTubeを見て予習してきてね」という宿題を出していました。そして、次の授業では生徒たちに“動画から何を学んだのか”を必ず説明してもらっていました。

この“何を学んだのか”を自分で言語化するためには、動画の内容を一度理解しないといけませんから、これも結局は、英作文やALTの外国人の先生と会話するのと同じような効果があるのです。

タブレット端末を視聴しながら勉強している女子生徒
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

ちなみにこの方法は、家庭での学習習慣にも応用できると思います。教えている生徒たちを見ていると、教科書や問題集で勉強したあとは「復習していない」ことが多いのです。ですから、ぜひ学校や塾などから家に帰ったお子さんたちには「今日は何を学んだの?」という質問をしてみてください。

学んだことを説明するためには、脳をフル回転させて勉強した内容を思い出さなければなりません。もしお子さんが「○○を学んだよ」と説明ができていれば、それは完璧に理解できているという証しになります。

スマホの“使い方”で、周りと差をつける

結局、勉強の本質は「何を使って勉強するか」というところにはありません。教科書だろうが、塾のテキストだろうが、YouTubeだろうが、そこまで大差はないのです。一番大切なのはそれらをどう使いこなすか、ということです。

YouTubeは、この「使いこなす」という点において、スマホ世代のいまの子供たちとの相性が抜群にいいのではないかと考えています。

本稿で皆さんにお伝えしたかったことは、YouTubeも活用の仕方では東大合格に繋げられるほど強力な教材となってきているということです。今はまだ主流とは言えないかもしれませんが、うまく活用できれば、周りと差がつくことは間違いないでしょう。

ですから「塾へ行かないと、行かせないと勉強はできない」「良い参考書や教材を使わないと、買い与えないと成績が上がらない」と嘆く必要はありません。スマホを持っている環境を生かして勉強する方法を実践してみてください。

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