「知識を共有する」ウィキペディアの精神

新型コロナウイルスのパンデミックは、人々に死への危機感を抱かせただけではなかった。これまで積み上げてきたものには本当に価値があったのか。それを分け合ってこそ価値が生まれるのではないかと、多くの人々が考えるきっかけにもなった。

たとえ明日、自分が消えても、積み上げてきたものをみんなで分かち合ってくれたら悔いは残らない。今、分け合わなければ、明日にはその機会が失われるかもしれない。分け合わないことこそが損失だ。オードリーは幼いころからそれを知っていた。

この「分け合っても損はない」という考え方は、中学でホームスクーリングを始めてからますます強くなっていった。ネットコミュニティで触れ合う人々は、毎日それぞれ何かしらの価値を提供し合い、「共好ゴンハオ」(ネイティブアメリカンの言葉で「共同で仕事をする」という意味を持つ「Gung Ho」を中国語に音訳したもの)の状態を作り上げていた。