「信じることが真実だ」

【澤円】わたしは自分の未来を面白くするのは、才能や資本ではなく、個人の「意思」だと考えています。最後に、「やりたいこと」の見つけ方につながる話として、片石さんはどのような「意思」を持って生きているのかをぜひ教えてください。

【片石貴展】好きな言葉に、「信じることが真実だ」というものがあります。これは、Suchmos(サチモス)というバンドの「Life Easy」という曲の歌詞の一節ですが、大学生ではじめて聴いたとき、「本当にそうだな」と思えたのです。

世間では、「夢なんて叶うわけがない」といわれることが多いですよね? おそらく実際に夢を叶えた人が少なかったり、思い通りにいかなかった過去があったりするからでしょう。「思った通りになる」と信じ切ることや、そうしたマインドに切り替えることは案外難しいですから。

でも、夢が叶わなかった自分を否定するのも、結構きつくないですか? 「自分に足りないところがあったから実現できなかった」と認識することは、強力な自己否定になるからです。

だから、過去のうまくいかなかった体験なんて、そんなに気にする必要はないと思うのです。「失敗があってもいい」「そんなもんだよ」くらいの感覚で、そのまま軽やかに受け流していけばいいのではないでしょうか。

「前向きなタイパ」で人生を進める

【澤円】「過去を受け入れる」「過去と向き合う」というのは、ストイックで難しいことです。向き合いたくないことを無理して乗り越えようというよりは、それはそれで、人生の貴重な「体験」として流していければいいですよね。

【片石貴展】好きなことに一生懸命に取り組むのは大事なことですが、同時に、うまくいかなかった過去に囚われないようにすることも大事なことです。時間は有限なのだから、新しい自分へと進んでいくために、「好き」を追い求めながらも人生の時間の使い方や効率も考えていく。そんな、いわば「前向きなタイパ」が必要なのかもしれません。

「信じることが真実だ」というマインドに切り替えてから、自分の思い描いてきた夢はすべて叶ってきました。これからも自分と仲間を信じていくつもりですし、みなさんにもぜひ、自分が信じることで夢を叶えてほしいと思います。

(構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=辻本圭介)
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