話がおもしろい人とそうでない人は何が違うのか。経済コラムニストの高井宏章さんは「紙の新聞を読むことで、話のネタに困らなくなる。ただし新聞の記事全てを読破する必要はない」という――。(第2回)

※本稿は、高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

パソコンのキーボードの上に置かれた新聞
写真=iStock.com/fotosipsak
※写真はイメージです

なぜウェブではなく紙の新聞がいいのか

高井:元日本経済新聞編集委員。日経退職後、YouTubeチャンネル「高井宏章のおカネの教室」を開設。Twitter、noteでも幅広く情報を発信している。
新倉:東京大学法学部卒業後、現在は日本プロ麻雀協会に所属。
布施川:東京大学文学部在学中。学業の傍ら東大生ライターとしても活動中。

【高井】僕が「紙の新聞を読んだ方がいい」っていうのは、印刷物、活字だからなんだよね。スマホで見てたら、要はネットのニュースと同じでしょ。よく知られるように、紙と画面とでは、文章を読んだ時の理解度が全然違う。脳みその使い方から違うという研究もある。

だから紙で読めるって、それだけですごいアドバンテージなんだよ。新聞はその訓練というかウォーミングアップにもなる。ふだん活字に触れてない人は、本を1冊読むなんてつらいでしょ。

【新倉】本当にそう思います。活字を読む力が衰えてるなと思いました。

【高井】新聞を毎日読んでいる人と読んでいない人、日々の差はほんの少しだけど、複利というか雪だるま式で差がついていくと思う。で、活字ってことで言うと、本を1時間読んだ方が有益なので、新聞にかけるのは15分ぐらいでいいんですよ。

【布施川】飛ばし読みで、良かったんだな。

ビリビリに破いて読む

【高井】では今日は「15分で新聞を読む」の中級編です。今日、僕が持ってきたこの新聞は、これから説明するような「読み方」をしてしまっているんだけど、気がつきました?

【布施川】はい。ページがまるまる破かれて、抜けている。

【高井】そう。要は「乱暴なスクラップ」なんです。「これは」という記事を取っておく。あるいは、気になるけど長い記事をとっておいて、時間ができたら読む。昔はね、綺麗に記事を切り抜いてスクラップ帳に貼る、みたいなことをやってたけど、それはダルいでしょ。

【布施川】うちの祖父はやってましたけど、僕は全然続かなそう。

【高井】たとえば今日、僕が破いたのはこの大きな記事のある3面。ハサミかカッターで切り取ったら1分以上かかるけど、破るのは慣れてるので数秒です。

【新倉】「物価高、家賃も動かす 指数25年ぶりに上昇」ですか。紙面の配置的にとても重要なニュースだとはわかったんですけど、ピンとこなかったやつだ。

【高井】これはエポックメイキングな出来事で、保存しておいた方がいい記事。そう思ったら、ページごと破る。破ったら、お目当ての記事の見出しが見えるように4つに折りたたむとA4よりちょっと小さくなる。はい完成。これをストックしておくだけ。簡単でしょ?