差がつく習慣【7】長続きしないときは

●築山先生からのアドバイス

前向きに物事に取り組むためには、積極的に雑用をこなして前頭葉の体力を鍛えたほうがいいことはすでに説明しました。ただ、雑用が多すぎると、こんどはそれが負担となってやる気がそがれる場合もあります。勉強や仕事が長続きしない人の多くは、このタイプ。前頭葉の基礎体力をキープできるだけの雑用をこなしたら、あとは作業を効率化して、脳に楽をさせてあげることも大切です。

脳の負担を軽くするには、雑用に関する選択や判断をルール化するといいでしょう。例えば私は「まだ読んでいない書類は一カ所にまとめる」「読んで理解できたものは捨てる」「理解できたが重要な書類はAの箱に、理解できなかったものはBの箱に」というように書類の整理について一定のルールをつくっています。こうして作業を効率化すると、膨大な雑用に悩まされることも減るはずです。

仕事や勉強が計画通りに進まないときは、問題点を紙に書いて顕在化させる方法が有効です。人間の思考は各駅停車ですが、感情は快速電車です。なんとなく行き詰まりを感じ始めると、論理を一気に飛ばして、不安や面倒くささだけがどんどんと膨らみ、それがやる気や集中力を奪っていきます。

感情の快速電車を止めるには、問題点や解決までのプロセスを紙に書くことで「見える化」して、思考の世界に引き戻してあげればいい。問題点がハッキリすると、「こんなつまらないことで悩んでいたのか」とわかることが多いものです。もし大きな問題が起きたとしても、闇の中で見えない敵と戦うより、見える敵と相対したほうが、ずっと乗り越えやすいのではないでしょうか。