あなたの中にある唯一無二の花を咲かせる仕事の選び方

普通ではない私たちは、私たちにしかない宝物を持っています。ADHDならではの「思考があちこちにいくがゆえに生まれる発想力やアイデア力」、ASDならではの「1つの物事に集中しすぎる過集中のお陰で生まれる創造物」など、それはときに大いに社会の役に立ち、素晴らしい力となります。

そんな力を思う存分発揮するために、苦手を手放すあらゆる工夫をしていくのです。普通の人の普通を目指すのではなく、あなたの中にある唯一無二の花を咲かせましょう。はみだしたっていいのです。凸凹があるからこそ、個性的な花を咲かせることができます。

クリエイティブの世界には、ひげぼうぼうの方が活躍されているケースが多々あります。知り合いのディレクターさんいわく、髭ぼうぼうでも、「ああ、○○さん、とっても忙しくて売れっ子さんだもんね」という判断をされるらしく、むしろキチッと整えて現場に現れるより、いい印象を与えることもあるそうです。普通ではなかなか考えられませんよね。

しかし、この「常識に縛られない世界」は確かにあります。私たち発達障害を持つ人が仕事をするとき。その特性を活かした仕事を選ぶことが大切です。発達障害の中でADHDの方は、個人の技術力やスキルが試される仕事が向いていると言われています。

例えば、芸術やクリエイティブ系の仕事です。私の周りには、発達障害を持ちながら活躍しているDJやミュージシャン、映像制作の監督さんやテレビ局のプロデューサーさんなどがいて、個性的なアイデアを活かして活躍されています。

マスク着用のさまざまな職種のユニフォームを着た人形たち
写真=iStock.com/ALEAIMAGE
※写真はイメージです

「一般常識と世間の声」に縛られないで

ASDの方は、ルールやマニュアルがしっかりしている職種が向いていると言われています。経理や情報管理、コールセンター、プログラマー、伝統工業など職人的な仕事も向いています。放射線技師などの資格が必要な仕事なども相性がいいです。

世の中には本当にさまざまな仕事があります。私たち発達障害のある人は、世間の常識に縛られず、自分の好きなことをとことん追求するとうまくいきます。

私は声優の仕事を選んだとき、フリーランスということもあって、たくさんの人から心配されました。そして周りから落胆の声が上がり、人生の落伍者のような目で見られたことを今でも忘れられません。

しかし、そんな一般常識に縛られた世間の声をいい意味で裏切り、好きなことならとことん集中できるという特性を活かして、22年間、一度も仕事に穴を空けることなく、ナレーターを務めることができています。

「髭ぼうぼう」という言葉と共に、常識に縛られない選択もあるのだということを知ってもらえると嬉しいです。私たちの可能性は無限大です。