俺のポケットに札束をぎゅっと入れて…
私はかつて渡部恒三にインタビューしたことがある。自宅の応接室には、国会前で田中角栄と握手をする写真が飾られていた。嬉々とした笑みを浮かべる渡部恒三の様子から、田中角栄を兄貴分のように慕っていたことが伝わってくる。
それを見てつい、「私も越後の長岡で生まれ育ちました」と洩らすと、渡部恒三は「君は長岡の人かい、僕は厚生会館に何度も応援に行ったよ。『越後には尊敬する人は三人いる。河合継之助、山本五十六、田中角栄』と言うと、角さんが喜んでね」と、タバコをくゆらせながら遠くを見た。
長岡の厚生会館とは、もう現存しないが、田中角栄が数々の名演説を行った場所であり、長岡生まれの私にとって馴染みが深い。そんな思い出を共有したせいか、渡部恒三は田中角栄との交遊録を自慢げに話してくれた。
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