「つながり」は寿命さえも左右する
模合の素晴らしいところは、性別や世代を超えて様々な人たちが集まってくるところ。そして、その文化を継承しながら、コミュニティの中で生きがいを見つけて、人生を潤していることだ。
ブルーゾーンには、社会的つながりが根付いている。沖縄の人たちに模合があるように、イタリアのサルデーニャの人たちは、地元のバーで友達と語り合って1日を終えるし、毎年行うブドウの収穫や村祭りにはコミュニティの人々がこぞって参加する。人々は毎年それを楽しみに待つし、そのイベントを自分たちが作っているという思いもあるだろう。
人は「誰かに必要とされている」と感じたときに心の鐘を鳴らす。喜びと使命感を覚え、それによって自分が救われていくのだ。家族、学校、会社、地域、社会、国――あらゆるシーンで「つながり」の有無が個人に大きな影響を与え、それは寿命さえも左右するということだ。
拙著の第6章の冒頭で、病気を意味する「Illness」の先頭の文字は「I」――私、「Wellness」の先頭の文字は「We」――私たちだと書いた。
人は「I」だけでは孤独だ。
「We」になってはじめてウェルネスを感じ、幸福になれるのだ。