※本稿は、葉一『やる気ゼロからでも成績が必ずアップする一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
お叱りモードになっても子どもには響かない
我が子のテスト結果が思わしくなかった……親として心中穏やかではいられないですよね。塾講師時代、私は保護者の方と二者面談をすることが多かったので、
「どう声をかけてあげればいいのか」
「つい怒ってしまうのだけど、本人はどこ吹く風な気がする」
などいろいろな悩みを聞いていました。ただ、正直なところ、このような状況でのベストな返しはないと思います。子どもたちの性格や状況も千差万別ですから、Aさんのお子さんに響いた言葉がBさんのお子さんに響くとは限らない。難しいですよね。けれど、ベストアンサーがないことだからこそおもしろいのだとも思っています。
とはいえ、比較的多くの家庭や子どもたちに共通することはあります。
その中のひとつが、「叱りは短く、引きずらず」です。
テストなどの結果が思わしくなかったとき、親は、それがトリガーになって今まで我慢していた不満が爆発してしまうことがあります。
そうすると、つい長いお叱りモードになってしまうのですが、子どもたちは大人からのお叱りが長くなればなるほど、反省から「早く終わらないかな」という方向に意識が向いてしまいます。こうなると、その場をやり過ごすことが目的になってしまうので、お互いにメリットがありません。
事前に頭の中を整理してから簡潔に伝える
「ママ(パパ)から伝えたいのは2つです!」
「1つ目は、勉強するときとスマホをいじるときのメリハリをつけた方がいいと思うの。勉強も息抜きも中途半端になっちゃわない?」
「じゃあ、そこのメリハリをつけるために、○○(お子さんの名前)はどう使うのがいいと思う?」
このように、伝えたいことを簡潔に伝えることで、お叱りの場から話し合いの場になりやすくなります。
また、この伝え方をしようとすると、大人側も事前に頭の中を整理しておく必要があるのでクールダウンがしやすいです(私自身、生徒との二者面談をする前にもよくやっていました)。
「そう言えば、あのとき○○してたでしょ! あっ、△△してたときもあったよね! 怒」
このような、過去に感じた不満をぶつけるのもNGです。子どもたちからすれば、「話が長くなるやつじゃん……」というスイッチが入るきっかけになりますし、「そのとき言えばいいのに」という理不尽さを感じるポイントでもあります。