景気の先行きが見えないなか、地方の中小企業における苦悩は深刻さを増している。事態を打開する方法は「顔の見える関係」を利用した「地方版メーンバンクシステム」であると筆者は説く。

明治期における地域経済の最大の特質とは

景気の先行き不透明感を拭い去ることができない状況が続くなかで、地方経済の苦悩は、深刻さを増している。地方経済の活性化なくして日本経済全体の再生がないことは、誰の目にも明らかである。

第一次産業、第二次産業、第三次産業を問わず、地方経済の中心的な担い手となっているのは、中小規模の事業者である。その中小規模事業者が活性化するうえでは、資金調達が順調に行われることが必要不可欠である。したがって、正念場を迎えつつある地域経済再生の鍵を握るのは中小企業金融の円滑化であると言っても、けっして過言ではない。