「マス」と言われるものの正体

例えばテレビや新聞・雑誌などで株や不動産の特集を組む時に、株価が上昇基調にあれば「今買わないと損する○○銘柄」とか「バブル到来! このチャンスの波に乗り遅れるな!」みたいなタイトルになり、不動産市場が好調ならやはり「狙い目のエリア○選」といった具合です。

長嶋修『グレートリセット後の世界をどう生きるか 激変する金融、不動産市場』(小学館新書)
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またアンチの気持ちを引き付けるべく「バブル崩壊の足音が聞こえる」みたいなタイトルと本文で、株や不動産市場好調の恩恵を全く受けていない層の溜飲を下げる効果を狙ったりもします。タワーマンションがしばしば叩かれるのも、それを買えない層のコンプレックスを解消する効果をもたらす格好の材料提供となっているわけです。

一方、株価下降基調においては「バブル崩壊」「底なし沼の市場」といった、これからお先真っ暗のようなタイトルになりがちです。情報を受け取る側は、上へ下へと感情を大きく揺さぶられて大変です。

こうしたメカニズムでメディアから流される記事やオピニオンを参考にして投資の意思決定を行うのですから、思惑通りになるわけがないのですが、これこそが「マス」と言われるものの実態・正体です。

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