「利回り」だけを見ると損をする

優待で最も悩ましいのは、手続きよりも銘柄選びでしょう。現在、株主優待を導入している企業は1400社以上あり、上場企業の約4割を占めています。これだけ多くの銘柄からお得な優待をしらみつぶしに探すのは大変ですから、絞り込むための基準を設けるとよいでしょう。私は銘柄選びのポイントとして、「優待利回りが高い」「財務が健全である」といった7つの基準を設けています。すべてを満たす必要はありませんが、チェックが入る項目が多ければ多いほど、投資妙味のある銘柄だと考えています。

【図表】おすすめ優待銘柄7つの基準

中でも重要なのが、優待の使い勝手のよさ。自分がよく利用するサービスや商品、生活圏内で使えるギフト券や割引券は筆頭候補です。利用できる店舗が多い金券・商品券や、どこにでもあるコンビニや全国チェーン店で利用できる割引券も狙い目です。また、企業の業績も見ておきたいところ。業績が悪ければ、値下がりのリスクもありますし、優待の廃止や改悪もありえます。優待で得する以上の損失を被っては本末転倒ですから、最低限、売り上げと純利益を見て右肩上がりの企業を選ぶなど、なるべく業績のよい企業を選びましょう。