長期保有者が優遇される傾向に

株主優待は、近年人気を集める米国株投資や投資信託では得ることのできないメリットであり、国内株に投資する醍醐味の一つであるといえます。株価の変動を予測するのは難しくても、優待を受け取るだけなら難しいことはありません。証券口座を開設して、特定のタイミングまでに株を買うだけで手に入る手軽さも魅力です。

優待を確実にもらうためにおさえるべきポイントの1つ目は、権利確定日の把握です。権利確定日とは「株主優待や配当などの権利が確定される日」のことです。優待をもらうためには、権利確定日に株主として株主名簿に登録されている必要があります。注意したいのは、権利確定日に株を買っても優待はもらえないということ。権利確定日に株主として登録されるためには、権利確定日の2営業日前である「権利付き最終日」までに株を購入する必要があります。なお、権利付き最終日に売却しなければ、翌日(権利落ち日)に売却しても優待を受け取ることができます。

優待が届くのは一般的に権利確定日から2〜3カ月後。権利確定日は企業の決算日と同じであることが多く、上半期末の9月や年度末の3月に集中します。狙っている銘柄の権利確定日をあらかじめ確認しておきましょう。

もう一つのポイントは、優待をもらえる条件の把握です。具体的には、株数と継続保有期間を確認します。多くの優待銘柄は1単元(100株)以上を保有する株主を対象としていますが、中には500株や1000株以上の保有が必要な場合もあります。さらに、半年や1年以上など、ある程度長く保有し続けていることが条件の場合もあるので、優待狙いで株を購入するときは確認が必要です。

条件さえ満たせば、少額の投資でももらえるのが優待のいいところ。投資金額は株価×株数ですから、1単元で優待をもらえる銘柄の株価が500円であれば、5万円の投資で優待をもらうことができます。また、1〜99株の「単元未満株」の保有者向けに優待を実施している銘柄もあります。実施企業は限られますが、数百円から数千円の投資で優待を得られるのは魅力的です。なお、企業によっては、保有する株数が一定数を超えるごとに、より優待内容が豪華になる銘柄もあります。特に気に入った優待の銘柄は、買い増していくのもいいでしょう。

また、長期保有者を優遇する銘柄であれば、長く持ち続けるほどに、もらえる割引券の枚数が増えたり、限定品がもらえたりします。近年、株主数を安定させ、企業買収を防ぐといった観点から、長期で保有する個人投資家を増やすためにこのような特典をつける企業が増えています。銘柄によっては年に2〜4回、優待をもらえる場合もありますから、お気に入りの優待銘柄はすぐに売らず、長期保有するのがおすすめです。