お酒は体に悪いと言われる。医師の佐藤典宏さんは「休肝日を設けることが大事だが、お酒好きの人にはなかなか難しいのも事実。そんなときは『がん予防効果が示された飲み物』を最後の一杯にするといい」という――。

※本稿は、佐藤典宏『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。

21時半以降に食べると「乳がんリスク1.5倍、前立腺がんリスク2.2倍」

最近の研究で、「夕食の時間が遅い人は、がんのリスクが高まる」という結果が報告されました。

がんのリスクには、何をどの順番で食べるかに加えて「いつ食べるか」という食事のタイミングも深く関わっています。

この結果は、フランスの4万人以上を対象とした研究によるもので、1日の最後の食事を21時半以降に食べる人は、女性の乳がんリスクが1.5倍、男性の前立腺がんリスクが2.2倍高くなっていました。

遅い時間に夕食を食べたことで、睡眠や覚醒、体温や血圧、ホルモン分泌など、体の活動を約24時間周期で調節しているサーカディアンリズム(体内時計)が乱れ、ホルモンの分泌量が変化し、ホルモンと関係の強いホルモン依存性がんのリスクが高まったと考えられます。

21時半以降に食べると「乳がんリスク1.5倍、前立腺がんリスク2.2倍」
写真=iStock.com/South_agency
21時半以降に食べると「乳がんリスク1.5倍、前立腺がんリスク2.2倍」

夕食後2~3時間以内に就寝すると大腸がんリスクが2.5倍に

また中国の研究では、夕食から2~3時間以内に就寝する人は、4時間以上経ってから就寝する人に比べて大腸がんのリスクが2.5倍高くなっていました。

同様に、夕食後すぐに就寝する人は、乳がんや前立腺がんのリスクが高くなるという報告もあります。

つまり、食べてすぐ寝る人はさまざまな種類のがんになりやすいのです。