「男は仕事、女は家庭」という古い役割分業を変えるべきだった

なぜこうなってしまったのか、一体誰が悪かったのか。原因のひとつは先ほどお話しした通り、日本社会の仕組みが性別役割分業を前提につくられていたことにあります。別の角度から見れば、古い仕組みを変える手立てをとってこなかった政府が悪いとも言えるでしょう。

さらに別の角度から見れば、その仕組みに何も言わず、黙って従ってきた国民ひとりひとりが悪いということにもなります。もちろん、結婚や出産で退職する女性が多かったのは、夫や親世代がそれを望んだり、仕事と育児を両立できる環境がなかったりしたせいでもありますが、多くの人が「そういうものだ」と思い込んでそうした行動を選択していたのです。

現在の日本の状況は、社会や政府、国民一人ひとりの行動の積み重ねによって引き起こされたものです。欧米諸国は早くからこうなることを予測して、日本よりずっと前から女性が働き続けられる社会をつくり上げてきました。日本も同じころから取り組みをしていれば、こんなひどい状況にはならなかったはずです。