「千代田区番町アドレス」の周辺駅はもれなく高くなる

3つ目はアドレスの良さだ。千代田区番町アドレスは都心の低層住宅地として随一だが、その周辺駅はもれなく高くなる。麹町(47.8%)、九段下(46.1%)、市ヶ谷(42.4%)、半蔵門(30.4%)、この4駅に囲まれた地域はファミリー人気が高く、公立小学校のレベルも段違いに高い。同じことが起きる駅では、表参道(37.8%)には南青山アドレスがあり、広尾(35.7%)には広尾と南麻布アドレスがある。

4つ目は湾岸エリアだ。それまで倉庫街だったようなところが住宅地として変貌するには、タワーマンションの圧倒的な眺望の効果無しには語ることができない。こうしたエリアは先住者が少ないことからのメリットも存在する。それが公立小学校の教育水準だ。分譲価格も家賃も都心に近いがゆえの高額な物件を買える比較的高年収な人ばかりが集まる特性から、中学受験に対する考え方や教育投資が同質化しやすい。結果的に、親の学歴と年収の高さが子どもの教育水準を規定することになる。豊洲(46.5%)、天王洲アイル(41.3%)、勝どき(39.2%)、東雲(38.3%)、辰巳(37.3%)がその代表格になる。

手をつないで登校する2人の小学生
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山手線の外側1~2駅は資産性が高い

5つ目は、駅近くにタワーが林立できるところだ。タワーは総じて資産性が高い。タワーとそれ以外の物件は毎年1.5%の資産性の差が生まれる。20年で平均3割も違うのだ。そんな駅は、飯田橋(52.8%)、東池袋(42.2%)、赤坂(37.1%)が代表的となる。

6つ目は山手線へのアクセスの良い住宅地である。総じて、資産性は山手線の内側の都心が高いが、山手線の外側に行っても1~2駅のところは資産性が高い。山手線の駅は商業地が中心で住むには騒々しく、落ち着きが足らない。私鉄で外側に行き過ぎると資産性がどんどん落ちていく。その間の山手線から1~2駅なら、アクセスが良い住宅地となり、資産性も落ちない。そんな駅は、南新宿(45.1%)、代官山(40.4%)、不動前(37.2%)、中目黒(30.0%)、幡ヶ谷(30.4%)などだ。