「夫婦間で生活費として渡すべき金額」実は決まりがある
ただ、「『お小遣い制をやめたい』と言うとケンカになる」と思い、交渉に二の足を踏む夫も多いのですが、そんな時は法律を盾にとって戦いましょう。
実は、夫婦関係において、生活費として渡すべき金額には基準があります。
裁判所が「婚姻費用の算定表」 というものを公表しています。夫・妻の収入や子供の人数に応じて、「法的に必要と認められる生活費」の基準が作られているわけです。
例えば「夫の年収500万円、妻の年収0万円、0~14歳の子供1人」という家庭の場合、渡すべき生活費は「月10~12万円」となっています。
年収500万円の人の手取りはボーナス込みで月32万程度とされています。仮に家賃が10万円だとすると、生活費を10万渡しても、手元に12万円ほど残ることになります。
夫の小遣いの平均額は「3万9081円」
一方、世の男性がもらっているお小遣いはもっと少ない模様です。
2024年にSBI新生銀行が実施した調査によると、夫の小遣いの平均額は「3万9081円」でした。
つまり世の男性は裁判所の基準よりかなり少ないお小遣いしかもらっていないことになるのです。
「小遣いが少ない」と悩んでいる方は、こうした根拠も提示しながら、お金の管理について妻と交渉してみることをお勧めします。
「きちんと自己主張する」ことも重要
もう一つ、「モンスター妻」への対応で必要になるのが、「自分の言いたいことをきちんと主張する」ことです。
事例に挙げた夫婦の場合、夫は妻の言動にずっと耐えていましたが、心身の不調を感じるまでになり、離婚を決意しました。
ただ、妻を「モンスター妻」にしてしまったのは、夫の対応のせいとも言えます。
なぜなら、妻のほうには自分が「モンスター妻」だという自覚がまったくないからです。
夫は妻からどれだけ批判されても、言い返さずに我慢していたのです。妻が「自分のやっていることは正しい」と勘違いしてしまうのも無理はありません。
夫は「言い返すとケンカになる、我慢したほうがラク」と思っていたのでしょうが、それがかえって裏目に出てしまったのです。
世の中には、「ケンカにならないような、マイルドな言い返し方」のノウハウもあります。
例えば近年注目されている「アサーション」は、簡単に言えば「相手とケンカにならずに自己主張する技術」です。
ほか、例えば「落語を聞く」といったことも、会話のスキルを高めてくれます。
こうした技術を学んで、妻に対してやんわり言い返していくことで、「モンスター化」することを防げたのではないでしょうか。
離婚相談の過程で、「夫婦間の伝え方」について指導することも多いのですが、伝え方を改善するだけで、夫婦関係が劇的に改善することもあります。
夫婦関係にお悩みの方はぜひ参考になさってください。