「視界がぼやけて歪む…」は食の欧米化も原因

目の病気やトラブルは、70代以降になると発症リスクが一気に増加します。

近年、70代以降の老年層に増えている病気のひとつに緑内障があります。緑内障は40代では20人に1人だったのが、70代になると10人に1人にまで増え、今や日本人の失明原因の第1位となっています。

しかし、緑内障は早期発見・早期治療で症状の進行を食い止めることができるため、年に1回は眼底検査を行い、少しでも早く発見し、リスクを回避することが大切です。眼底検査は、人間ドックのオプション検査としてもつけられることが多いので、一緒に受けるのもよいでしょう。

また、透明な眼球のレンズが白く濁っていく白内障も、80歳以上のほぼ100%が発症する注意したい病気です。70代で白内障の手術を受ける人の割合がもっとも多くなります。

そのほか、視界の中心がぼやけたり物が歪んで見える黄斑変性も、70代以降に起きやすくなります。黄斑変性は目の生活習慣病といわれており、喫煙や飲酒の習慣、緑黄色野菜の摂取が少ない、脂質が多いといった食事で発症リスクが高まることがわかっています。

車内でハンバーガーをまさに食べようとしている女性の手元
写真=iStock.com/Wojciech Kozielczyk
※写真はイメージです

和食が中心の食事をしてきた日本人の70代〜80代の発症率はそこまで高くありませんでしたが、食の欧米化が進み、日本の70代以降の発症率も増えてきました。

身体のあらゆる組織は栄養でできているため、毎日口にするものに意識を向けることは、深刻な目の病気のリスクを抑える一歩となることをぜひ覚えておいてください。

「ただの近視」と思っていたら…瞼の痙攣が脳の病気へ

今、あなたの目で起こっているトラブルは、いくつあるでしょうか?

40代以降の中年層ともなると、「疲れ目」「かすみ目」「ドライアイ」「老眼」「瞼の痙攣」「乱視」など、複合的な悩みになっているのではないかと思います。

年齢とともに、目の機能は落ちてきますから致し方ないことといえますが、たいしたことない、仕方ないと放置してしまうと、やがて深刻な目のトラブルに発展しかねません。なぜなら、例えば「最近手元が見えづらくなったから老眼がきたな」と決めつけて老眼鏡を用意するだけで対処してしまうと、もしかしたら白内障などの症状の発端であることも考えられるからです。