そのほかにも、近視は進むと、白内障や緑内障、網膜剝離などの病気の発症リスクが高まるため、「ただの近視」と甘く考えていると、知らぬ間に病気が進行して失明に至ってしまうこともあり得ます。

瞼のピクピクを放っておいたら脳の病気だった、眼瞼下垂だと思ったら脳梗塞だったなど、ひとつの症状だけでは判別がつかないことが実はたくさんあるのです。

「老化のせい」、「目を使いすぎたから」と自己判断で終わらせず、以前よりも見えにくさを感じた時点で、まずは一度眼科で詳しく検査することが大切です。かかりつけの眼科を見つけて、毎年定期検診できるともっといいですね。

カラコン、外遊びの減少…若年層の目のトラブル原因

目のトラブルというと、40代以降の病気と捉えられがちですが、デジタルデバイスが不可欠な現代では、デジタルネイティブ世代である子どもや若年層の目のトラブルがとても増えています。

10代〜20代に起こりやすい目のトラブルとしては、スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機器などで手元を長く見つめすぎることによるドライアイや、眼精疲労、スマホ老眼などが挙げられます。

そのほかにも、詳しくは『名医が教える!目のトラブル解決大全 近視・老眼・白内障・緑内障・斜視・眼瞼下垂 ぜんぶ網羅!』(KADOKAWA)で後述しますが、ファッション性の高いカラーコンタクトレンズや、瞳を大きく見せるタイプのコンタクトレンズによるトラブルも多いのです。

また、小学生の視力低下も深刻な問題になっています。

近年、子どもの近視は右肩上がりで増加傾向にあり、小学生の3人に1人、中学生の2人に1人が視力1.0未満です。

特に小学生の視力低下は顕著で、文部科学省が毎年行っている学校保健統計調査によると、1978年度には視力1.0未満の割合が16.3%だったものが、2019年度では34.6%と倍以上にまで増えています。

なぜここまで近視が増えているのか明らかな原因はわかっていませんが、外遊びが減って近くを見る時間が増えたことが影響していると考えられています。このように、若い、幼いからといって目のトラブルとは無縁ではありません。小さい頃から気にかけていくことが大切です。