多角化をやめて宅配に絞ることを決断

長距離路線市場に乗り遅れた改善策としては多角化の道を選び、総合物流企業(通運事業、百貨店配送、航空、海運、梱包業務など)を目指した。しかし、各事業はどれも伸び悩む。

さらに大口貨物へのこだわりが仇となり、基幹業務である商業貨物のトラック運送の収益までが悪化した。新たな成長の機会を探っている最中、昌男の頭に浮かんだのは、市場を商業貨物から個人宅配へと切り替え、事業の体制も、多角化とは反対のたった一つのサービスに絞ることだった。発想のヒントになったのは、異業種である吉野家の「牛丼」である。