毎年夏になると各地で水難事故が多発する。どうすれば自分の命を守ることができるのか。時事通信社水産部の川本大吾部長は「少しの時間でも船に乗るときはライフジャケットを着けなければいけない。それだけで事故発生時の生存率が2倍以上変わってくる」というという――。
指導を受けながらライフジャケットを着用している人
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毎年1000件以上の水難事故が起きている

毎年、夏場に海や川で命を落とす痛ましい水難事故が頻発している。開放的な雰囲気で余暇を楽しむ中、生死を分ける瞬間が訪れるとは考えもしないだろう。

警察のデータによると水難事故は毎年1000件以上発生しており、2023年は1392件、1667人が事故に遭遇。およそ半数が亡くなったり、行方不明になったりしている。中でも海の事故が最も多い。

遊泳中の危険性も高いが、船の上はいっそう油断禁物だ。危険と隣り合わせの海では、命綱となるライフジャケットの着用が時には生きるか死ぬかの分かれ道になる。