レストランの客数が20~30%減少

パリでは治安対策が強化され、物価も高騰しているという。共同通信によると、ホテルの稼働率は80%を超えたものの、レストランなどは前年より客数が20~30%減ったと、五輪を歓迎していない模様だ。

政府は、警察官、兵士など7万5000人という史上最大規模の治安部隊を配置して警備に当たっている。イギリス、スペイン、ドイツ、韓国、カタールなどからも警察官が応援に来ている。パリでは、移民問題を背景にイスラム過激派のテロが頻発しており、大規模な治安対策が不可欠となっている。

フランス内務省は、大会前に4355人を、「大会に干渉する危険、外国のスパイ、極右・極左やイスラム教徒で過激化の兆候があること、犯罪歴があること」を理由に排除した。その中には、260人のイスラム教徒、186人の極左、96人の極右が含まれている。

「移民排除を唱える極右勢力」が勢力を拡大

ヨーロッパでは移民問題が大きな政治問題となっており、多くの国で移民排除を唱える極右勢力が勢力を拡大している。

「移民排除を唱える極右勢力」が勢力を拡大
写真=iStock.com/Andrei310
「移民排除を唱える極右勢力」が勢力を拡大(※写真はイメージです)

6月6日〜9日に行われた欧州議会選挙もそうで、極右が躍進し、とくにEUの屋台骨であるドイツとフランスでその傾向が著しかった。

この結果を受けて、フランスでは、6月9日に、マクロン大統領が国民議会を解散した。巻き返しを図るためであったが、そのマクロン大統領の狙いは実現せず、6月30日に行われた投票では、極右が大きく伸張した。