面接試験で受かる人とうまくいかない人は何が違うのか。東大カルペ・ディエム『一流企業の入社試験』(星海社新書)より、人事コンサルタントの曽和利光さんへのインタビューの一部を紹介する――。(第2回)
面接を待つ人たち
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人事コンサルが見た「就活生があまり理解していないこと」

――就活や入社試験について、就活生と人事では見え方が異なる点もあるかと思います。就活生が持っている幻想と人事が見ている現実の間にはどのようなギャップがありますか。

【曽和】就活生があまり理解していないのが、就活生にとって就活は「自分と合う、自分が活躍できる企業を見つける場」だということです。

第一志望の企業に入るための努力は確かに大切ですが、入社試験を受けていくうちに「この企業は自分に合わないな」と感じることもあります。そういう場合、第一志望の企業が最善の選択肢とは限りません。頑張って入社できたとしても、その企業の環境や仕事内容は向いていないかもしれませんから。

個人的な経験ですが、私は高校受験で関西の名門校・灘高校に合格したものの、いざ入学してみたら周囲の学生のレベルの高さに驚いて自信を失ってしまった経験があります。それだったら、ただ偏差値の高い学校に行くばかりが正解ではなく、地元の国公立高校に入って成績トップとしてやっていた方がよかった、という可能性もありますよね。

私の高校時代のようなケースでは、自分がレベルの高い集団に入って引き上げられるタイプなのか、勝てる環境に入って活躍するタイプなのかを知った上で進路を選ぶことが、よりよい未来につながります。就活でも同じです。合わない企業に無理して入っても、入社後に苦手な能力を要求され続けるのはつらいですから。