10人中、8人が辞めたいと言ってきた
ある日、知り合いの経営者の方から連絡がありました。
「濱田さん、大変なことになっているんです。社員がそろって辞めます! 辞表を出します! と言ってきているんです」
大変動揺した様子でこうおっしゃいました。
「頼りにしていた企画部のブレーンも辞めますと言って辞表を持ってきている状況で、濱田さんになんとかこの状況を回避できるようにサポートしてほしいんです」
と懇願されました。そこで半年契約でコンサルをお引き受けすることにしました。
社員がそろって辞表を出すって、どういう状況⁉ と思いますよね。
その会社は社長と社員10人ほどの会社だったのですが、10人中、8人が辞めたいと言ってきたそうです。
一人一人と個別面談をしていくうちに、なぜ、みんなが辞めたいと思うようになったのか、見えてきました。
「机の上に置いてあるゴミ」が大問題に
最初の事件は、会社の机の上に置いてあるゴミでした。
前日、残業したときに食べたもののゴミを誰かが捨てずに帰り、次の日の朝、そのゴミが机の上にいつも残っている状態が続いたそうです。
普通なら、「あぁ、誰かが捨てるのを忘れたんだな」と、気づいた人が捨てて終わり、ですよね。
この会社では最初のうちは、朝ゴミを見つけた人が「残業の際に出たゴミは机の上に残さず、捨てて帰ってください」と口頭で呼びかけていたそうですが、ゴミの量が少し減ったものの、相変わらず朝出社すると、机の上にゴミがある状況は続いていました。
そのうち、少しずつ事態は大きくなっていきました。張り紙をするべきか否かの議論になり、一体誰がゴミを捨てているのかと、犯人探しが始まったのです。