朝日も全国紙ではなくなる未来が訪れるのか

この発表の少し前、競合の毎日新聞社は7月17日、9月末で富山県内での新聞の配送を休止すると発表した。全国の都道府県で毎日新聞の配送休止エリアが生じるのは、富山が初。同社は取材体制は維持していくとするが、SNSでは「もう全国紙じゃない」などの反応が出ていた。当日に届かない県があったら、それはもう全国紙とはいえないと、筆者も考える。

男性Bによると、朝日新聞社内でも一定数からは、「全国紙の看板にこだわるべきでない」とする意見があるという。特に近年、同社は記者を編集部門からビジネス部門に配置転換する措置を進めてきた。当然、編集局一強が変わり、ビジネス部門の存在感が高まる。

こうしたビジネスパーソンが「部数の少ない地方で、紙の新聞を配り続ける意味は何か」と問うた時、「朝日は全国紙であるべきだから」の答えでは納得されにくい。今後は、経営の重しとなっている地方拠点のさらなる削減に加え、配送休止まで踏み込みたいビジネス部門と、全国紙にこだわりたい記者(編集局)のせめぎ合いがより鮮明になっていくだろう。

毎日新聞が配送休止を決めた富山県内の発行部数は、朝刊のみで推計約840部と報じられている。朝日も数年以内に、どこかの都道府県で毎日と同じ決断をしても何ら不思議ではない状況にありそうだ。

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