アメリカの古着店をのぞいてみると…

ロサンゼルス市内、メルローズ・アベニューは、古着屋やセレクトショップが並ぶファッション激戦地であり、アメリカ西海岸の流行発信地でもある。ハリウッドやビバリーヒルズといった、日本でも耳なじみのある地域からもほど近い。

爆音でラップ・ミュージックを流したアメ車が、乾いた砂埃を上げて目の前を通過する。日本ではほぼ嗅ぐことのない甘ったるい煙の臭いに、文化の違いを感じた。治安の悪さと紙一重のヒップホップな雰囲気が、いかにもアメリカらしい。石造りの壁にカラフルでポップなストリート・アートが目立つ、インスタ映え間違いなしの街だ。

セカンドストリートを訪れる前に、いくつかの古着ショップを訪れてみた。

アメリカ最大規模の古着チェーンであるバッファローエクスチェンジ、同じメルローズ・アベニューにあるウエストランドや、一部古着好きに支持されているジェットラグなど。アメリカの古着店は、どのようなものなのだろうか。

どの店も想像したより清潔だった。服には、ところどころにほつれやシミが見られるものもあるが、古着であることを考えればそれほど悪いとは感じなかった。店内にはいくつか服の山ができているものの、シャツ、パンツ、ジャケットなどのジャンルや季節ごとに分けて陳列されていた。

セカンドストリートのアメリカ進出から、すでに6年が経過している。その間に競合店もそのスタイルを真似、古着の質や陳列方法を改善したのだろうか。「日本の店と比べたらカオス」と話に聞いていたが、実際は異なっていた。

メルローズ店
筆者撮影
米ロサンゼルス市内にあるセカンドストリート・メルローズ店。北米進出の第1号の店舗だ。

値段やブランドごとに並んでいた

その足でロサンゼルスにある2つの店舗に向かった。いずれも日本人スタッフもいなければ、日本人客もいない。日本のブランドもいくつかあるが、それほど「日本推し」をしているようには見えない。

「売れ行きがいいのは、やはりシュプリームやルイ・ヴィトン、グッチやシャネルなどのブランド品です。日本のブランドのベイプやコム・デ・ギャルソン、アンダーカバーなども人気ですね。ビンテージ服は、日本で古着ショップを営む方が買いに来ることもよくあります」

海外1号店・メルローズ店を案内してくれたのは、2018年から勤務しているマーチャンダイジング・スペシャリストのノアさんだ。

店内の様子
筆者撮影
メルローズ店の様子。古着や靴などが所狭しと並んでいた。

店内に足を踏み入れてまず気づいたのは、古着の展示方法の違いだった。店内は、Tシャツやパンツなどのジャンルや季節ごとに分けられ、人気のあるシュプリームなどのブランドや日本のブランド、コム・デ・ギャルソン、ベイプなどが別の棚にまとめて展示されている。

さらに店の奥には手頃な価格帯の商品がジャンルごとに並べられ、手の届かない上部の壁には、目立つようビンテージ物の服を掛けてある。店の中央には鍵付きのガラスケースが置かれ、グッチやルイ・ヴィトンなどの革製品が展示されていた。