各業界に固有のカスハラとは? その対応策を企業法務が専門の弁護士・香川希理氏が解説する。
土下座
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情緒的になりやすく、慰謝料請求も当たり前 冠婚葬祭業界

特徴

慶事・弔事とも人生の節目となる大切なイベントであり、本人やその家族が情緒的になりやすい。とりわけ結婚式は一生に一度の晴れ舞台という感覚が強く、運営側への期待値も非常に高いため、トラブルに対して強いクレームが発生しやすい。

葬儀でよく起きるのは名前の間違い。挨拶状や御礼状の名前違いや司会の言い間違い、中には位牌の名前を書き間違えたケースも。故人の宗派に沿った作法での見送りができなかったことで、慰謝料を請求された例もある。関係者はデリケートな精神状態にあるうえ、「やり直し」による挽回が基本的に不可能であることも、顧客からの要求が過剰になりやすい要因である。