当然の要求をするときになぜ謝ってしまうのか

私たちはいまだに、他人がどう思うかを気にかけ、昇給や銀行の融資を求めることを遠慮し、誰かが自分のアイデアを盗んだり、切り捨てたり、声をかき消したりしても沈黙し、昇進を与えられると自分を疑います。

そして、ようやく勇気を奮い起こしても、多くの人が、当然のことを要求するときに「すみません」と謝ってしまいます。もしも私たちひとりひとりが人生において揺るがない品格を持ち、なめられなくなる技術を習得すれば、周囲に振り回されることなく集団に貢献するチャンスが得られるでしょう。

私がこれまで見てきた、女性の足を引っ張る最大の要因のひとつが「自分の価値を知らない」ことです。ルールを打ち破り、欲しいものを手に入れる前に、まずは自身の価値について十分に理解する必要があります。

電球の中の脳に触れる指
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自信を見いだすための8つの力

「あなたの〈一番の強み〉は何ですか? これについては世界一! という得意なことは何ですか?」

このシンプルな質問に答えた女性が、自分の強みを自尊心にして、品格を身につけ、〈なめられない私〉になることを目指してスタートを切るのがわかりました。そして長年にわたって質問への答えを収集するうちに、いくつかの同じ特徴が繰り返されていることに気づいたのです。

〈一番の強み〉を類型化して、女性がどのように自信と能力を感じているかと関連づけ、自身を評価して信頼するための用語を作成することが、大きな力になる――そう確信しました。

この方法論を開発し、完成させるために、私の会社のチームは何千人もの女性を対象に定性調査と定量的調査を行い、真の自信を持つことの意味について、深く掘り下げました。

こうして、自信を8つに分類して、8つの〈一番の強み〉を特定しました。〈主導する力〉〈目立つ力〉〈成果を出す力〉〈与える力〉〈頭脳の力〉〈創造する力〉〈楽観の力〉〈自分を支える力〉です。