フランクリン・コヴィー社の「7つの習慣」セミナーは、これまでに20万人以上が受講。そんな同社が提供する最新のリーダーシップ研修とは。

これまで見てきたように、情報・知識労働者の時代には、リーダーシップが組織の力を高め、最終的に市場での成功をもたらすことになる。そのためにリーダーは、まず自分とメンバーのボイスを見出し、全人格型パラダイムに基づく4つの役割――信頼を築き、意義を見出し、システムを創造し、エンパワーメントを進める――を果たしていくということがおわかりいただけただろうか。

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図18(図表提供=フランクリン・コヴィー・ジャパン)

「第8の習慣」が最終的にめざす姿は「偉大なリーダー」であり、図18に示すように一般的なリーダーとは明確に区別されている。

リーダーシップの偉大さは、個々のメンバーに自らのボイスを発見するよう奮起させた者が獲得する。それは自らが自分のボイスを発見し、表現し、メンバーに向けて発信したことから始まっている。

このようなリーダーシップは、リーダーの役職にある者だけが発揮できるというものではない。メンバー全員が、そのようなリーダーシップを発揮して自発的に働けるような環境をつくることこそ、偉大なリーダーの究極的な仕事である。

このときリーダーシップのスタイルとして期待されるのが「サーバント・リーダーシップ」である。

一見すると、執事や召し使いを表す「サーバント」と、組織を導く「リーダーシップ」という相容れない組み合わせだが、これはあるときはサーバント、あるときはリーダーというような使い分けのことではない。

サーバントのように奉仕する役割が、すなわちリーダーが果たす役割であるという意味である。

あたかも有能な執事が、主人がやりたいことを察知し、先回りして完璧に準備を整えておくイメージに近い。このとき、リーダーにとって仕える対象となるのが、メンバーたちである。