今は好調な日本株だが将来も上がるのか?

投資上限額や非課税保有期間が大幅に拡大した新NISAのスタートとともに、幕を開けた2024年。2月には日経平均株価が34年ぶりの史上最高値を付け、投資後進国と言われ続けた日本の投資熱は高まりを見せています。

新紙幣の発行にあわせて、タンス預金をいよいよ投資に回して増やしていこうという中高年や、投資は1日でも早く開始したほうが勝ちと、毎日100円ずつ積立NISAを始める20代など、今こそ投資デビューをと考える人は、少なくなさそうです。

そうした投資初心者の多くが、最初に投資をしようとする金融商品といえば、国内株でしょう。毎日CMが流れるあの自動車メーカーや商社など、どんな仕事をするどんな企業なのか、一番身近で安心なのが国内企業だからです。加えて今年は、日本株が堅調です。前述したようにバブル期以来の高値を付け、史上最高の4万円を突破したこともありました。

でもこれから5年、10年、20年先まで、日本株はこの調子で上がっていくのでしょうか。そう問われたら、私はどうしてもそう思えないのです。日本のマーケットの中にも、とても魅力的な個別銘柄はたくさんあります。ただ日経平均やTOPIXといった株価指数が、今年のような調子でこれからも上がっていくことは、考えにくいと思っています。

そもそも株式市場というのは、将来起きることを織り込むことで、値段が決まってくるもの。つまり株価というのは、過去を見て決まるわけではなく、これから何が起きるのか、将来を織り込んで決まる性格があるわけです。とくに長期的に資産形成をすることを考えるのであれば、これから先の世界がどうなっていくかを最初に考える必要があります。

50年後には日本のGDPは世界10位以下

そこでまず、国の大きな指標となる人口で考えてみます。

若い人は意外に思うかもしれませんが、1990年に日本は世界で7番目に人口の多い国でした。ところが左上のグラフのように、ランキングはどんどん下がっていきます。正確に言うと、ほかの国々の人口が増えてきたため相対的に日本の人口ランキングが下がってきました。ちなみに、とくに増加が顕著なのは、ほとんどが新興国です。