マルチ商法を採用する健康食品メーカー
さらに月額負担が数万円程度という金額でも、マルチ商法を採用している健康食品メーカーがある。
がんに効くという健康食品を買うためには、その会社に会員登録をしないといけない。会員登録をすると、自ら健康食品を定期購入する必要が出てくるだけでなく、健康食品を世のなかに普及させる義務を負う。
そして、新規顧客を獲得すれば、メーカーから一定の報酬が支払われるという仕組みだ。
私はマルチ商法の片棒をかつぐ気持ちをまったく持っていない。
まだまだわかっていないことが多い
なぜ、がん治療に関して、こうした百家争鳴のような状況が起きているのかというと、がんの治療に関しては、まだまだわかっていないことが多いからだと思う。
実際、がんには特効薬がない。たとえば、A型インフルエンザの患者に治療薬のタミフルを投与すると、発熱期間を1日短縮するということが統計的に明らかになっている。
また臨床面でいうと、大部分の患者が、投与後すぐに症状が改善すると医師は言う。
ところが、がんの場合はそうはいかない。
効果がすぐに出ることはないし、同じ治療をしても、患者によって効果を発揮する人としない人が明確に分かれるのだ。