通路が狭くなってしまう

図表2は、ご夫婦とお子さん2人の4人家族のご家庭で後悔することになった間取りの例です。寸法を入れるとよくわかります。

【図表2】対面キッチンのあるLDKの間取り
出所=『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)

調理のための通路は、1人で立つことを想定すると、80〜90cmでいいとされています。図表2のように対面キッチンを設置すると、背面に食器棚やカップボードを設置できないので、食器の出し入れをするたびにダイニングへ行くことになりますね。その途中に65cm×65cmの冷蔵庫があると、通路がとてもせまくなってしまうのです。

設計士さんは、「壁づけ型のほうがよいのでは?」とアドバイスしてくれたようですが、対面キッチンだけは譲れなかったとのこと。

対面キッチンには子どもたちの様子を見たり、家族と会話したりしながら調理ができるという利点があります。

朝は家族みんながキッチンとダイニングを行き交い慌ただしいこともあるでしょう。そのようなときに、冷蔵庫まわりがせまくて人がすれ違えないことが大変不便だと感じるかもしれません。

「壁づけ型」のほうがスペースにゆとりがある

壁づけ型であれば冷蔵庫とキッチンが一直線に並び、のちに大きな冷蔵庫に買い替えたくなったとしてもスペースにゆとりがあります。

どうしても対面キッチンにしたいのなら、L型にするという選択肢を加えてみるとよいでしょう。

先のご家庭の場合も、図表3のようにコンロは壁づけにしてシンクがリビングに向かうような配置にすれば、冷蔵庫まわりがせまくならずに済んだはずです。

【図表3】対面キッチン(L型)のあるLDKの間取り
出所=『プロ建築士が絶対しない家の建て方』(日本実業出版社)

マイホームは長く暮らすところなので、家族のライフスタイルの変化に対応できる間取りにすることが大切です。先々のことまでシミュレーションしてみてください。