取り繕ったインスタとは違う「日常」を共有

通知はいつ来るかわからず、通知から2分以内という制限は厳しいが、これが逆にゲーム性を高め、攻略したいという気持ちを刺激する。

ある大学生は「休日に寝ているときにきて見過ごしたこともあるし、バイト中に通知が来て絶望したこともある。1日中、いつ通知がくるか気になっている。通知がきた時、一緒にいる友だちに声をかけて撮影することは多い」という。

「授業中に通知がきて、仕方なくバッグの中とか天井とかを撮影したこともあるし、部屋が散らかっているから廊下に出て撮ったり、すっぴんでも仕方ないからそのまま撮ったりする。慌てて撮るから、後で『居場所が丸わかりだった』とか、『まずいものが写っちゃってた』とかもある。

でも、みんなもそうやって撮っているから、いつどこにいるとか、こんなバイトしてるんだとか、普段の生活とかがかなり正確にわかる。インスタではわからなかったことがわかるし、お互いが知り合えるし、写真を見ればその時の自分も思い出せるし、とっても楽しい」

ただし、「授業中に通知がきて撮影しているのがバレて、怒られた学生がいた」などの問題も起きているという。「自分は後ろにいたから、たぶん角度的に写ったと思って嫌だった。先生にもバレて、先生がめちゃくちゃキレていた」と話す。

机の下でスマートフォンを使う生徒
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

授業中でもバイト中でもかまわず撮影

撮ってはいけない場所や時間でも撮影してしまう、というトラブルは非常に多い。ある高校では、「授業中にBeRealの通知音らしきものが教室で鳴って、いろんなところからシャッター音がしていた」そうだ。テスト中に通知音が鳴っていたという話も聞いた。

「バイト中にBeRealを撮っているのがパートの人にバレて、告げ口された」「接客中にバイトがいきなり撮りだして、お客様が写ってしまうと騒ぎになった」など、バイト中の撮影が問題になった例も少なくない。

ある企業の研修担当者から「バイトの研修中、『BeRealを撮ってもいいですか』と言われて、つい『うん』と答えたら、その場で撮りだしてびっくりした」と聞いたこともある。

仕事中は職務に専念する義務がある上、顧客の個人情報や企業秘密などを撮影してしまうリスクもある。本格的に問題になる前に、バイト中にはスマホを持ち込ませないなどの対策が必要ではないだろうか。