「第三の勢力」支持拡大の背景にあるもの
こうした中で第三の勢力として台頭しつつあるのが石丸氏だ。
石丸氏の支持層を分析するとほかの候補にはない特徴が見て取れる。
支持政党別の投票先を見てみると、れいわ新選組と参政党の約2割から支持を受け、さらに調査の一覧にはない「その他」の政党(NHK党や日本保守党などが含まれると見られる。無党派層は別に聞いているため含まれない)の支持者から約3割の支持を受けているのだ。
新興政党の中でもれいわ新選組はリベラル、参政党は保守のイメージが強い。
実際にれいわの約45%は蓮舫氏を支持し、一方で参政党の約6割は小池氏を支持している。
なぜ、この両極端な2つの政党から、2割という一定の支持を石丸氏が集めているのか。
それは、石丸氏の支持層においては保守とリベラルというようなこれまでの対立軸は通用せず、それよりも「現状を変えてくれそうか否か」に重点が置かれていると言えるからではないだろうか。
小池氏は自民党など、蓮舫氏は民主党などで長く活動を続けてきた政治家で、既存政党とは切っても切り離せないような存在だ。
そうであるが故に、既存政党の政治に辟易としている新興政党支持の有権者が、石丸氏の支持に流れたわけだ。
そのように考えれば、「その他」から3割もの支持を受けていることも合点がいく。
石丸氏の支持拡大の背景には、既存政党への信頼の失墜があるとも言えるだろう。
都知事選の投開票日は7月7日の七夕だ。
その結果は都政だけでなく国政にも大きな影響を与えることになるかもしれない。
都内各地で舌戦が繰り広げられる中、都民は誰に次の都政4年間を託すのか、選択が迫られている。