どうすれば自己肯定感を高めることができるのか――。心理カウンセラーの中島輝氏は「自己肯定感は心の傷を治癒する免疫力のことで、本来、誰でも備わっている能力。毎日寝る前にやる超簡単なメソッドで、誰でも高めることが可能だ」と説く。学びのサイト「プレジデントオンラインアカデミー」の好評連載より、第1話をお届けします――。

※本稿は、プレジデントオンラインアカデミーの連載『経営者、トップアスリートなど1万5000人を指導!トップメンタルコーチが教える「最強メンタル」の作り方』の第1話を再編集したものです。

ベッドに横たわって人差し指を立ててひらめくポーズをする男性
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自己肯定感は心の「免疫力」

自己肯定感」という言葉は、「セルフ・エスティーム(self-esteem)」の訳語として使われはじめ、アメリカの心理学者ウィル・シュッツは、「自分としても誇りに思い、他者からも十分に認められるであろうという自負心・自尊心」と説明しています。

しかし人間は、社会のなかで生きている限り、心を傷つけられることが必ずあるものです。そこで、そうした傷に対処していくには、大きくふたつの方法があるとわたしは考えています。

① 外部からの攻撃を防御すること
② 傷を受けた後に早く回復すること

①は、頑丈な鎧を身に着けるようなイメージです。鎧を着ていれば、ある程度の攻撃なら防ぐことができます。ただし、鎧は万能ではありません。鎧には隙間がたくさんあるため、防ぎようのない箇所から傷つけられるかもしれませんし、鎧を貫くような強力な攻撃を受けることもありえます。

そこで、もうひとつの対処法が②です。たとえ傷を受けたとしても、すぐに回復できる力があれば、傷つけられること自体は大きな問題ではなく、無闇に恐れる必要はないということです。隙間から入ってきたネガティブな外部要因や、自分の内側から湧き起こるマイナス思考などに対して、自分の回復力を上げることで対処していく??。このような、心のなかでのマイナスからプラスへの「視点移動」をうまく行えるタイプが、「自己肯定感が高い人」と言えるでしょう。

自己肯定感は、人間の体が持つ「免疫力」による作用に似ている面があります。体に受けた傷が自然に治癒する仕組みがあるように、心についても同じことが言えると考えてください。また、免疫力は誰にでも備わっており、毎日の習慣や、本連載で紹介するトレーニングによって高めることが可能です。