「15時より前」なら何度でもOK

いくら「眠たいから」「気持ちがよいから」と数時間単位の仮眠をとってしまうと、肝心の夜の睡眠の質を下げてしまいます。

20分程度の“ビスケット1枚”のような昼寝にとどめておけば、夜の睡眠の質を損なわず、なおかつ日中の眠気を取り除き、高いパフォーマンスを維持できるようになるのです。

ただ、パワーナップは、1日のうちに何度とっても構いません。1度のパワーナップでは物足りなければ、2回、3回、4回と複数回にわたって取ってもいいのです。

とはいえ、パワーナップをとる時間帯としては、できれば15時までに取るようにしましょう。これも先ほどの食欲に置き換えるとわかりやすいと思いますが、18時に夕飯が控えている状態で、16時や17時におやつを食べたらどうなるでしょうか? 空腹感が下がってしまい、せっかくの夕飯がおいしく食べられなくなってしまいます。

睡眠についてもこれと同じで、15時以降にパワーナップを取って、夜の睡眠を邪魔してしまうと本末転倒です。“メインディッシュ”である夜の睡眠をより一層良質なものにするためにも、“おやつ”であるパワーナップは15時以降は控えることが望ましいのです。

3時を示す時計
写真=iStock.com/pepifoto
※写真はイメージです

パワーナップと「うたた寝」は違う

よく勘違いされるのですが、パワーナップはうたた寝とは違います。

たとえば、夕食後などにテレビをダラダラ観ていたら、いつの間にか「うたた寝」をしてしまったということがよくあります。夕食後で、体も温まり、血糖値も上がり、気持ちもリラックスしているので、つい眠りたくなってしまう気持ちもわかります。

さらに、人は適当な雑音があったほうが、眠くなりやすくなるのです。その点、テレビの音はまさに子守唄です。

覚えのある方も多いと思いますが、人は眠ろうと思うとなかなか眠れません。逆に、眠りたくないときに眠くなります。夕食後テレビドラマを今日は最後まで見ようと思っていても、途中で気を失い大事なところを見落としてしまう場合があります。