違反を軽く見る向きの人は、不採用も
ここも前項と同じで、質問の意図や主旨を事前に伝えておいた方が円滑に進むでしょう。つまり「仕事上で運転するシーンがあるから」とか「毎日の通勤で使うでしょうから」の後に、「念のため事前に確認させてください」といった感じです。
もちろん、虚偽申告は絶対にNGで、ここも入社後に発覚したら解雇を検討しなければならないシーンも出てくるでしょう。
虚偽申告はないという前提で、そもそもそうした歴がない、あるいは乏しいなら、不採用要因にはならないでしょう。
一方で、「あるけど、スピード違反(駐車禁止違反)くらい、誰もやるでしょ?」とか「私はペーパードライバーじゃなく、頻繁にクルマに乗るので、そりゃそれなりの数の切符も切られてますよ」といった舐めた態度だったり、歯切れが悪かったり、隠す様子があれば、不採用を前向きに検討して良いと考えます。
逆質問を活用する
「何か質問はありますか? どんなことでも結構です」
こちらから一通り質問したら、逆質問を受ける流れになります。ここは、「何を聞いてもらっても大丈夫ですよ」と、応募者の質問するハードルを下げてください。
実際に何を聞いてもらっても良いのですが、これから担当する仕事の詳細やその進め方、職場のメンバー構成、日常業務のルーティンなどを一切聞かずに、
「休みの申請は何日前までですか?」
「夏休みや年末年始休暇は、何日あるのですか?」
「○○手当は、私にも付きますか?」
といった福利厚生や処遇ばかり聞いてくる人は要注意です。
説明会や面接でいくら説明しても、仕事のすべては理解できないし、日常業務のルーティンとして、細かい話ですが、たとえば「貴社の社員は始業時間のどれくらい前から出勤しているのか? 新人もそれで良いのか?」といったことも気になるはずです。
もちろん、福利厚生や処遇の質問すべてがNGというわけではありません。完全歩合制の営業職の募集なら、「何をどれだけ売ったら、どれだけ給与に反映されるのか?」といったことは、プロの営業として当然質問するでしょう。しかし、これも給与のことだけを聞いているのではなく、先に仕事の詳細(何を、どれだけ)を聞いた上での話になっていることをお忘れなく。
給与や休みは、就職先を決めるのに重要な要素であるのは間違いないし、事前にきちんと確認したい心理もよくわかります。
一方で、会社にぶら下がっていられさえすれば、こうしたものが手に入るという甘い考えの人が一定数存在するのも事実です。
処遇や福利厚生についてのやりとりが終わったら、「担当する仕事や働き方とかについて質問はないですか? 大丈夫ですか?」と、念押ししてください。筆者の経験では、ぶら下がり系の人は「大丈夫です」と回答するケースが多いです。