利用した客の9割が「満足」と回答

ぐるなびが2022年6月30日に発表した「モバイルオーダーの利用実態調査」によると、41.4%もの人が食店におけるモバイルオーダーを利用したことがある。年代別では20代が56.4%で最も多い。利用業態は「ファストフード」が50.4%、「寿司」が15.0%、「居酒屋」と「ファミレス」が12.8%と続く。利用シーンは「家族との外食」が42.0%、「一人での外食」が39.9%、「友人、知人との外食」が22.5%。さまざまなTPOで活用されており、「満足」「やや満足」とした利用者は88%にのぼった。

別の調査でも、51.8%が「モバイルオーダーを使ったことがある」と回答(New Innovations「モバイルオーダーに関するアンケート」2023年10月12日発表より)。これは同社が半年前に行ったアンケートより10%増加している。週1回程度以上の利用が46.9%となっており、モバイルオーダーを利用したことがある人のうち、96.6%が「とても満足している」「やや満足している」と回答した。

オーダー業務がなくなって少人数で運営が可能に

スタバやモスのみならず、多くの大手飲食チェーンがモバイルオーダーを導入している。マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキン、吉野家やすき家といったファストフードのほか、ガストやバーミヤンなどを運営するすかいらーくグループ、磯丸水産や鳥良商店などを運営するクリエイト・ダイニング等、さまざまな業態で活用されている。

これほど一気にモバイルオーダーが世に広まったのは、当然のことながら、店側のメリットが大きいからだ。

飲食店からすれば、オーダー業務がなくなるのでサービススタッフを減らすことができ、人的工数や人件費を削減できる。飲食業界は人材不足に陥っているので、より少ない人数で運営できるのは魅力だ。ワンオペの飲食店なら調理だけに集中できるようになる。

システムによっては、クレジットカードに加えてQR決済や電子マネーなどさまざまな決済手段にも対応している。これによって会計業務も省ける。

結果としてサービススタッフは、配膳(サーブ)や下膳(バッシング)だけを行えばよくなり、接客により注力できて顧客満足度を高められる。